花粉症
花粉症とは、主にスギやヒノキなどの花粉が原因となって、くしゃみ・鼻みずなどのアレルギー症状を起こす病気です。
花粉の飛ぶ季節にのみ発症するため、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、日本人のおよそ20%の人が花粉症だといわれています。
日本では約60種類の植物により花粉症を引き起こすとされており、スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなどが一般的です。
花粉症の症状としては、鼻の三大症状(くしゃみ、鼻みず、鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を伴う場合も多く、その他ノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱などの症状が現れることもあります。
また、最近では複数の花粉に反応する人も増えており、ほぼ1年中花粉症状(くしゃみ・鼻みず・鼻づまり)に悩まされるという人も少なくありません。
花粉症の治療には、大きく分けて、
1)セルフケア(花粉の除去と回避)
2)薬物療法
3)減感作療法
4)手術療法
があります。
どの治療方法を選択するかは、患者さんご自身の病気の理解を深め、重症度、病型によって医師とよく相談しながら治療していくことをお勧めいたします。
睡眠時無呼吸症候群
いびきをかく人の7割は「睡眠時無呼吸症候群」であるといわれています。決してめずらしい病気ではなく、およそ日本では、40~50歳代の男性を中心に約100~300万人がこの病気にかかっています。
「睡眠時無呼吸症候群」とは、一晩に10秒以上の無呼吸が30回以上、または一時間に5回以上の無呼吸が起こる病気です。
これらは夜間の睡眠中のことであり、患者さんご自身はもとより、パートナー(配偶者等)が一晩中観察することは不可能ですので、機械を用いての検査が必要となります。
「睡眠時無呼吸症候群」では、当然寝不足状態ですので、日中の眠けのために、仕事の効率が落ちるだけでなく、交通事故や労働災害も起こしやすく、失職や離婚の原因にもなりうるといわれています。
さらに、睡眠中に血液中の酸素濃度が低下した状態が続きますので、高血圧、心臓循環障害、脳循環障害など重大な合併症をひき起こすことも指摘されています。
また、この病気は成人に限った病気ではなく、お子さんもなることがあります。
お子さんの場合には、成長ホルモンの分泌が悪くなり発育が遅れる、胸部の変形(ろうと胸等)、稀に小児突然死症候群等をひき起こします。ご本人ではなかなか判断しにくい病気でもあり、「いびきをかく」といわれたことがある方は、一度、検査を受けることをお勧めいたします。
胃食道逆流症(逆流性食道炎)
のどの異物感、声枯れ、持続する咳などの原因のひとつとして、最近注目されています。
「逆流性食道炎」などとも呼ばれますが、胃酸が食道に逆流してのどの症状が出てしまいます。
ストレスや不規則な食生活、嗜好品(タバコ・コーヒー・辛い物など)などが誘引となる胃酸過多状態、長時間の前屈姿勢・ベルトを強く締めすぎるなどで腹圧が上昇すると、胃酸が食道に逆流しやすくなります。時に噴門部(食道と胃の接続部)の異常(食道裂孔ヘルニアなど)でも起きることがあります。
胸焼け、ゲップ、お腹の張り、食事後の胃もたれなど、消化器症状があれば、のどとの関連もわかりやすいのですが、人によっては消化器症状がほとんどなく、のどの症状だけで苦しんでいるかたもいらっしゃいます。
耳鼻科的には、のどの症状と消化器症状があり、内視鏡で食道の入口付近や声門の後ろ側の粘膜の腫れを認めれば、胃酸分泌を抑える内服薬を使います。
咳止めなどの内服薬で改善のないような慢性的な咳や、声帯の異常が認められないにもかかわらず声が枯れる、風邪でもないのにのどがチリチリする、などの症状でお困りの方は、一度耳鼻科でも診察を受けられた方がいいと思われます。